CIRJEの概要

センター長挨拶

日本経済国際共同研究センター(Center for International Research on the Japanese Economy,通称CIRJE)は、「日本産業経済研究施設」 (1963年4月設立)を前身とし、1998年9月に東京大学大学院経済学研究科の附属センターとして発足しました。CIRJEでは「日本経済に関する国際共同研究」 を中心に、基礎的研究と、現実経済が直面する緊急課題の双方に対応すべく鋭意努力しています。

CIRJEの主要な任務は、国内外の研究者を招聘し、共同研究や研究会の場を提供することを通じて、最先端の研究情報を交換し発信することです。これまでにも ノーベル賞受賞者を含む多くの一線級の研究者を海外から招聘し、数多くの国際会議を主催・共催してきました。新型コロナウィルス感染症流行後は、国内外の往来が大幅に制限される中、研究者招聘や東京大学を会場としたコンファレンスの開催が困難になりましたが、オンラインセミナーなどを通じて国内外研究者との交流を続けております。

今後とも、日本における中核的な研究拠点として内外の研究者に対して最新の情報や共同研究の場を提供していく方針です。CIRJEの今後の発展に向けて関係各位から一層のご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。              

2022年4月
東京大学大学院経済学研究科附属
日本経済国際共同研究センター長
青木浩介

センターの研究部門

1.国際比較研究部門

この研究部門は、国際比較の視点から日本のマクロ経済、企業・産業部門、制度・歴史などの研究を実施している。この部門はさらに次の三つの分野に大別されており、センター設立の平成10年度以来、多数の研究プロジェクトを擁している。

  1. 日本経済国際比較研究分野
  2. 日本企業国際比較研究分野
  3. 制度・歴史国際比較研究分野

2.情報資料研究部門

情報資料研究部門では研究活動の一環として、日本経済に関するデータ・資料の収集・整備を行っている。行政・研究機関の調査・統計データに加えて、企業・政府の一次資料の収集・整備も行っている。特に、労働統計資料、山一証券資料は価値が高いものであり、経済学研究科教員の主導のもとに整備を行っている。
また、国際比較研究部門同様、研究プロジェクト活動も行っている。

  1. 日本経済情報資料研究分野
  2. 情報解析共同研究分野

3.国際共同研究部門

この部門は、国際的な共同研究を目的として海外の研究者を招聘し様々な共同研究を実施すると同時に、国際研究会議を主催して情報収集や新たな知識の生産を行うことを目的としている。

  1. 国内外からの研究者の受入
    センターでは国内外からの客員研究者との交流に力を入れており、幅広い研究分野から数多くの優秀な研究者を迎えている。
  2. 国際会議の開催・後援
    センターは国際会議の主催及び後援を行うことによって、日本経済研究者間の交流を促進している。

他機関との提携

日本経済国際共同研究センター(CIRJE)は米国ノースウェスタン大学ケロッグ・スクール・オブ・マネージメントのInternational Business & Markets Research Center(Daniel Spulberセンター長)と提携を結ぶこととなった。この提携により、双方の機関のおける様々な研究トピックについて相互理解をすすめ、情報交換を活発化させ、将来的に共同研究活動を発展させていくことが望まれている。

この提携はヨハネス・モエニウス教授がCIRJEの短期客員研究者として滞在中の2001年10月に締結された。同教授の滞在により提携締結を促進することができたといえる。この新しい提携によって、最初の共同研究プロジェクト"Industry Coordination in Japan"が立ち上げられたが、今後、双方の研究機関の研究者交流やさらなる共同研究プロジェクトの発足が期待されている。

広報及び研究支援活動

  1. ディスカッション・ペーパー
    センターではディスカッション・ペーパーの発行・管理を行っている。
    また、センターでは発行されたDPを外部へ向けて公開するため、センター・ホームページでの公開、RePEcへの登録、国内外の機関へのハード・コピーの送付等を行っている。
  2. ニューズレター
    センターでは毎年"CIRJE Newsletter"を発行している (日本語版、英語版:年1回)。主な内容として、その年に開催されたコンファレンスや発行されたディスカッション・ペーパーの紹介、センター研究プロジェクトやワークショップの活動、受入客員についての情報等が盛り込まれ、センターの活動報告書としての役割を担っている。
    発行後はフリーペーパーとして国内・海外の大学、図書館へ発送されるほか、東京大学広報センターにも陳列し、外部からの来訪者が自由に持ち帰ることができる。

研究会・ワークショップの支援

日本経済国際共同研究センターは東京大学大学院経済学研究科と密接な協力関係を保ち続けている。たとえばセンターは経済学研究科において定期的に行われている各種のワークショップに対して活動の支援を行っている。

  1. マイクロワークショップ
  2. マクロワークショップ
  3. 応用統計ワークショップ
  4. 都市経済学ワークショップ
  5. 政治経済学ワークショップ
  6. 経営学ワークショップ
  7. 経済史研究会
  8. ミクロ実証分析ワークショップ
  9. Tokyo Workshop on International and Development Economics (TWID)
  10. 財政ワークショップ
  11. ポリティカルエコノミー研究会
  12. 歴史家ワークショップ
  13. 地域研究ワークショップ
  14. CIRJE特別セミナー

センター組織図